新たにCGPで運用を行いたいと思う場合、既存のメールサーバ上の多数のアカウントを移行する必要が生じます。
代表的な移行の方法をいくつか例示します。
1.アカウントのみ移行する方法
アカウント作成のみ行い、メールデータは旧メールシステムに残し、一定期間平行運用する方式
この方法の場合は、移行作業が非常に短時間で済みます。
ネットワークへの負荷も生じないので、新旧メールサーバ間のネットワーク速度が低いケースや、メールデータが膨大に蓄積されている場合に有効です。
2.アカウント+メールデータの移行(POP利用方式)
アカウント作成後、旧メールサーバへのメール着信を経路的に停止し、全てのINBOXの内容を新メールサーバにPOPで移行する方式
この方式は、メールデータの移行が必要で、かつ、旧メールサーバがIMAPに対応していない場合に有効です。
難点として、以下の点が挙げられます。
- 既読のメールをサーバに残している場合でも、新メールサーバ上では全て未読として移行される。
- 新旧メールサーバ間のネットワーク速度が低いケースや、メールデータが膨大に蓄積されている場合には、移行に大きな時間を要する。
3.アカウント+メールデータの移行(IMAP利用方式)
アカウント作成後、旧メールサーバへのメール着信を経路的に停止し、ユーザがIMAPで作成した旧サーバ上の全てのメールフォルダ構造(階層化構造のもの含む)を、IMAPアクセスによって新メールサーバに自動構築し、その中身を新メールサーバにIMAPで「未読・既読のフラグごと」移行する方式
この方式は、メールデータの移行が必要で、かつ、旧メールサーバがIMAPに対応している場合に有効です。
フォルダ構造や、未読・既読フラグも引き継がれるため、ユーザーのメリットが大きいです。
難点として、以下の点が挙げられます。
- 新旧メールサーバ間のネットワーク速度が低いケースや、メールデータが膨大に蓄積されている場合には、移行に大きな時間を要する。
IMAP利用方式で大規模なメールデータ移行を行うためのノウハウ
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大規模なメールデータを移行したい場合、昼間のネットワーク負荷上昇を避け、夜間、何日にも分けて移行を行う方法も考えられます。
そういう場合は、TSVをいくつかに分け、順次夜間に実行することができます。
しかしそれだと、最後の夜間実行を終えたときには、最初の夜にデータ移行したアカウントには、旧メールサーバ側に新たなメールが追加されてしまっています。
追加された分は、もう一度移行を行って、新メールサーバ側に反映させる必要が生じます。
こういう場合は、一度移行が済んでいるメールを、重複して移行しないようにするために、MoveIMAPMailコマンドの、--filterオプションを使う方法が効果的です。
<使用例>
最初の移行時:
「--filter before "31-10-2009 19:30:00"」というオプションをつけて実行する。
※移行を実施するより前の、ある時刻(例:2009年10月31日19時30分)以前のメールのみ移行を行う
最後の移行時:
「--filter after "31-10-2009 19:30:00"」というオプションをつけて実行する。
※最初の移行時に指定した時刻(例:2009年10月31日19時30分)以後のメールのみ移行を行う
こうすることで、何日にも分けて移行を行い、かつ重複無く移行を終えることが出来ます。
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